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以心伝心心~あまがさき哲学カフェ~

哲学カフェに行ってみませんか。 お茶を飲みながら他の人の話を聞いてみる。結論は求めません。カフェで賑やかに話せればいいですね。

第八回むこのそう哲学カフェ 開催報告

第八回むこのそう哲学カフェは、夏の盛りの暑い中、9名の方々にお集まりいただきました。
今、街には怪談やホラーの映画や催しもの、博物館までお化けを特集しています。怖いもの見たさと言いますが、怖いものについてじっくり考えてみました。今回は9名の方にお集まりいただきました。各自が実際に経験された怖い思い出を交えながら、「現代の怖いもの見たさ」に迫りました。


日時 2013(H25)年8月11日(日)14:00-16:00
場所 カフェ・トレピエ  
テーマ 怖いもの あなたはなぜ見たい?

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◆何が怖いのか
・怖いものには二つあると思います。ひとつが、作り物(フィクション)の怖さ(映画、怪談、お化け屋敷など)と、もうひとつがリアルな怖さ(死体、霊、<死>)などです。  
・ホラー映画を作り物と分かってみるのは非日常を求めている、非日常を体験しているということではないでしょうか。
・今までで一番怖かった映画は「怪談(注:1965年東宝)」です。「黒髪」で武士を演じる三国廉太郎の表情は忘れられません。怖くて「もう見ない」とDVDを奥にしまいこんだのに、また引っ張り出して繰り返し見てしまいます。
・他にも「リング」「世にも不思議な物語」「四谷怪談」「百鬼夜行伝」などがあります。
・昔の映画のほうが怖いと感じます。CGが使われていることが判ると、急に怖くなくなるようです。
・古くて広い田舎の家などは「開かずの間」などがあって、怖いです。子どもでなくでも大人でも夜中にトイレに行くときには怖く感じます。
・怖いものを見てみたいのは子供ではないでしょうか。怖いものを見たくなるのは年齢にも関係すると思います。
・もし、祖母などの幽霊が出たとしても怖くはおもいません。むしろ話をしたいと思います。
・放射能は目に見えないという怖さがあります。危険が目に見えて判れば対処できると思うので不安の正体を暴くことで安定したい。というのが、怖いもの見たさと言うことだと思います。
・理解不能なもの、たとえば魔物とか本当の怖いものには理解しようとしても取り付く島がない感じがあります。
・作り物の怖さであって自分で選んで見て、頭でわかっても、怖さはある。
・驚く、心配する、気持ち悪い、不気味などと怖さとは違うように思います。


◆怖いものに引かれる?
・怖いもの見たさという言葉があるが、これは怖いものを見た時の自分の反応を確かめてみたい、ということではないでしょか。
・好奇心があって、知らないものを知りたいという欲求でしょう。理屈や正体を知りたいです。
・好奇心と言うより、知らないことがあると不安なので、その不安を解消したいという欲求ではないでしょうか。
・反射的に反応することに言葉と想像が加わると「怖さ」が生まれると思います。
・怖いもの見たさとは言いいますが、作り物は見たいとも思いますが、リアルなものは見たくありません。
・不気味なもの、気持ち悪いと感じるものなどに接すると反射的に怖さを感じます⇒しかし慣れて判ってくると怖くなくなってきます。
・歳をとると怖いものに対する判別能力が高まるので怖いものが減ってきます。


◆<死>は怖いか?
・<死>そのものが怖いのではなくて、<死>について考えてるのが怖いです。
・<死>があるから「生きていることが怖い」。生きていることは他者とのかかわりの中で生きていることなので孤独な存在であることを感じると、不安や恐怖が生まれる。それを打ち消すために、あえて怖いものを見る、怖いものへの好奇心が生まれるのではないか。
<死>につながるものが怖い、死より怖いものがわかっていたら怖くないはず。
・<死>については、怖さよりも周りにかける迷惑を考えて、よくないことだと思っている。
・人間とは、不安な日常があっても、それを「怖くないよ」と言い聞かせている存在ではないか。
・死より怖いものとは何だろうか。

◆子どもとおとな、そして時代
・子どもの頃怖くて仕方なかったものでも、今は怖くないし、つまらないと思えるものは多い。
・時代が変わって、闇が減り、女性の立場が変わり、ゲゲゲの鬼太郎とオバQが世に出たことで、怖さが減った
・今の子供は怖さを楽しんで知る。例えば、一緒にお化け屋敷に行った友達の反応を楽しんでいる
・お化け屋敷に入るときには、心構えがある。心構えが無いと、怖さが増える。
・予測できないものは怖い、事実を見たらわかるが、子供は判らない。
・好奇心だけではすまない。
・大人になって対処できる覚悟ができると、怖くなくなる

◆非日常としての怖さ
安心して味わえる怖さ・・・意外性、演出などを楽しむ
日常とは異なる感覚を楽しむ・・・ジェットコースター
広大な宇宙を考えていると、とてつもなく大きな存在と、とてつもなく小さな人間とを想うと、空恐ろしくなる。


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怖いものと、それをなぜ見たいかの二つの事柄について話し合ってきました。終了後このように参加者の方々の発言を拾っていくと、怖いものを見たい理由は三つあげられました。

1) 理解できないもの、知らないものを放置することは不安であり、理解したいという欲求がある。
2) 怖さを感じたときの自分の反応、ぎゅっと身が縮まるような感覚とその後の開放感を味わいたい。
3) 怖さは慣れてくると減っていく。一方、<死>を感じながら生きることの怖さゆえ、怖いものに対する慣れが必要となり、怖いものを求める。

9名の方々の体験とそれを見つめる省察を出し合っていただいて、ここまでたどり着きました。
これは結論ではありませんが、哲学カフェの良いところは、大きく、視野を広く見渡すことができることだと実感します。テーマに真摯に向き合うことで、多くの繊細な事柄を丁寧に話していただいたと感じています。
大変暑い中、お集まりいただいた皆様、ほんとうにありがとうございました。

次回は9月22日(日)14:00-16:00 場所が変わって西富松会館で行います。テーマは「シリーズ~考えるを考える~第2回」です。

なお、本編とは別に<番外編>を企画しましたので併せてご案内します。番外編は「英語で話そう哲学カフェ」。テーマは「What is freedom?」です。
8月25日(日)14:00-16:00 場所は、アイデアル英会話教室 (住所:伊丹市野間6丁目5-1)です。前回の記事にポスターを掲載しています。下欄を参照願います。

 
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