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以心伝心心~あまがさき哲学カフェ~

哲学カフェに行ってみませんか。 お茶を飲みながら他の人の話を聞いてみる。結論は求めません。カフェで賑やかに話せればいいですね。

130721第七回むこのそう哲学カフェ 開催報告

第七回むこのそう哲学カフェ 開催報告


日 時: 2013(H25)年7月14日(日)14:00-16:00
場 所: カフェ・トレピエ
参加者数:11名(男8名 女3名)
年 代: 20代:1名 40代:3名 50代:1名 60代:5名 70代:1名

テーマ「シリーズ~考えるを考える」


今回は大きなテーマを設定しました。同じテーマでも違う切り口で話し合ってみようと思い、「シリーズ」化したいと思います。
まず、開始後15分ほど参加者の皆さんにテーマについていくつか「切り口」を出して頂き、その中から多数決で本日の切り口を選びました。
投票はひとり2票持っていただき、挙手によっておこないました。

切り口の案は大きく3つ出されました。

一つ目は、「考える」を関連する動詞とのつながりから考えてみる : 9票
 ・考えるとは「思う」「悩む」「推論を重ねる」「感じる」ことなどとどう違うか。

二つ目は、「考える」を目的や方向性から考えてみる  : 8票
 ・考えることには「方向性」がある。一方は「愛情」でアイデアを助け"攻めていく"ツールとして考えることがあり、他方は「恐れや悩み」で守ることを考えるということがあると思います。
 ・考えることは「目的」を持っています。「悩む」には目的がない。
 ・考えること自体を目的とすることはできるでしょうか。

三つ目は、「考える」を機械と考える : 5票
 ・コンピュータは考えられるか?  現在のコンピュータには言語、記憶、推論能力の3セットがそろっています。  すでにチェス・クイズでは人間を凌駕しつつありますし、特定の課題を解くのではなく、文章を読解させたり何が出てくるかわからない問題を解かせることを目的として、コンピューターを東大の入試に合格させようというプロジェクトがあります。そこから、考えるを考えてみたい。
 ・ロボットが考えるか?


今回は、得票数の多かった 「考える」を関連する動詞とのつながりから考えてみることとしました。


◆考えるとは…他の言葉と共に

・考えるとは目的を達する為に行う行為であり、結果が伴います。例えば野球やサッカーも点を取るのが目的ですが、それと似ていると思います。
・考えるとは新しいものを生み出すこと(生産していること)でしょう。
・考えることは、能動的で、論理的だと思います。
・クイズの答えを「考える」とは知っている知識を「思い出すこと」なので思い出すということも考えることだと思います。
・考えいることとは、覚えていることと「言葉があること」と「感じることがあって」考えられるのだと思います。

・悩むことに目的は持てないので、従って悩みには答えは出せません。
・悩むことは、受動的で非論理的で考えることとは対照的だと思います。

・犬と猫には人間のような言葉がありませんので、犬猫は、考えないと思います。

◆感じることと考えること
・考えることの上に感じることがあると思います。
・「暑い寒い」は感じることで感じるために言葉はいらない。しかし、「美しい」と感じるためには言葉が必要だと思います。
・要約と連想は同時にはできない、と聞いたことがあります。感じるということは、まず(暑さや寒さなどに対する)生理的な反応があって、それらを統合(要約)します。すると暑いとか寒いとか表現する事ができるようになり、その時、そのために言葉が必要になるのでしょう。
・体験に言葉が付けられて、厚みが付けられることで、経験となるのだと思います。
・経験を理解するには言葉がいるし、経験を共有するにも言葉がいる、そのかわり言葉で表現してしまうと、その固有の体験は陳腐なものになると言うことが起こります。
・言葉があることで、様々な感情や感覚を整理はできるが、全部を言い表すことはできない。言葉に置き換えられないこともあると思います。その意味で個人の体験はわずかなものであると言えます。

◆考えることと言葉
・言葉は必要から生まれます。例えば文化によって虹の色の数や雨の呼び名の種類など風土環境に影響されています。これはまず表現したいという気持ちから生まれものでしょう。
・言葉の概念化、抽象化する能力が考えることに寄与していると思います。
・動物行動学によると、内省は動物でもするそうです。ですから動物も考えると思います。

・言葉はいつ生まれたのか、古い時代でしょうが生まれた時があるでしょう。すると、言葉が生まれる以前は人は考えていなかった?のかしら。
・ボディーランゲージなどで伝え合っていたでしょう。あるいは大事な物などの価値づけは行ったでしょう。
・ネアンデルタール人は花を見て「美しい」と思ったのか?…彼らのお墓からは遺体と一緒に埋葬された花が発見されていますので、そのような気持ちを持っていたでしょう。
・考えるときには言葉を使っています。言葉がなければ考えることができません。

◆考えるために言葉を使っているか?
・対象に対する焦点の当て方、教えることや、ひらめき、推論などは左脳の働きで、考えるにはツールが必要であり、それが言葉です。
・イメージ、あうんの呼吸、などは考えることと、どのように関係しているのでしょう。
・サッカーや野球などのゲームでも好きなことに夢中になりうまくなると反射的に体が動きます。しかしどんなゲームも考えないと勝てません。
・サッカーなどのゲームの場合、「ゲームという言語をプレーしている」と言えると思います。つまり「言葉」とはいわゆる言葉だけではなく、文法と同じようなルールのある体系ではないでしょうか。
・表現としてのダンスがあるように、表現としての言葉ではないでしょうか。
・あいまいではっきりしない感じたことをしゃべることで理解できたりします。
・空気を読む、ということは言葉を使って考えているのでしょうか。


◆みんなで考える
・みんなで考えるためには、考えを共有化するためには言葉がぜひ必要です。
・みんなで考えていることが、似たようなところへ行ったり、他の人の発言によって気が付く事があったり、刺激を受けると言うことがコミュニケーションだと思います。
・みんなで考えるときには考えることが「受動的なものになっている」と気が付きました。
・自分が考える、人の意見を聞く、多くの意見を聞く、そうしてひらめくことがありますが、一人では閃かないのではないか。
・言葉によって自分の中だけで考えて、言葉の伝えることや表現という役割を切り離す事もできると思う。

◆イメージで考える。
・「orange」と言う言葉を聞いてイメージするものがあります。みかんの形、色、味などで、これらはイメージですが、イメージが湧いてそれでオレンジをわかった、伝わったということになると思います。
・スポーツ選手が、イメージトレーニングを行いますが、それは「考えて」いるのかしか。
・イメージトレーニングはシミュレーションなので様々な状況を「考えて」やっていると思います。
・共感覚と言って、色を音で感じたりすることがあります。同じようにイメージで考えていることはあると思います。
・アートセラピーでは、色、形などから自分の気持ちを表現します。例えば「寒い」イメージを色で表現します。
・頭の中にイメージ(理想)を思い描き、それを表現したくても言葉にうまくできないことがあります。イメージの情報量が多すぎて言葉が足らない感じですね。その意味でイメージのほうが、考えるということより上等だと思います。
・まだ自分でもわからないものを形にするとき、伝わるようにするために考える、と思います。ちょうど絵を描く場合に、デザインがあって素材があり、作品となるように、考えも企画があって、言葉があって、実現する。のだと思います。
・イコン(聖画像)のように意味を持たせ、象徴を持っているイメージがあります。
・考えるということは納得する、腑に落ちるということであり、「あ、なるほど」と思うことでイコンを見て納得できれば「考えた」と言えるのではないか。



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考えることと感じることの違いについて意見が出される中、「言葉」の存在が大きく取り上げられてきました。考えるためには言葉は不可欠だという認識と共に、では言葉なしで考えることはあり得ないのか、について色々な例を挙げながら検討されていきました。

一定のルールを持ったゲームは、それ自体が言葉なのではないか、という意見は面白く感じました。サッカーなどのスポーツであれ、囲碁将棋であれ「考え」なくてはゲームになりませんが、そこには言葉よりもイメージが大事な役割を果たしているようにも思います。

しかしみんなで考えるためには、言葉がなくてはなりません。それは確かなように思われましたが、イコンのように多くの人に了解された象徴は、言葉を必要としない。あるいは絵解きなどは、言葉を介さずにみんなで考えることができるものなのかもしれません。


今回は「考える」をその周辺の関連する動詞から考えてみました。シリーズとして少し間をおいて同じテーマで続きを行います。今度はどのような切り口で取り組むことになるでしょうか、楽しみです。

次回は8月11日(日)14:00-16:00、場所は今回と同じカフェ・トレピエにて、テーマ「怖いもの あなたはなぜ見たい?」です。
夏の暑い日の午後、暑気払いに、お化けでも妖怪でも悪魔でも「怖いもの」と、怖いもの見たさってどういう関係なのか、考えてみましょう。



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