第二回 武庫之荘哲学カフェ 開催報告武庫之荘哲学カフェ第二回目は平成25年2月10日(日)の穏やかな冬の午後、13名の方にお集まりいただきました。 場所はカフェ トレピエ、マスターの北川さんにご協力いただき、大きなテーブルを囲んで好きな飲み物を頂きながら“カフェ”らしく、行いました。
参加者数 : 13名(男7名、女6名)
年 代 : 20代:2 30代:2 40代:1 50代:5 60代:3
哲学カフェ初参加者数 :5名
テ ー マ: 「値段をつけたのは だれ?」 進行役 : 赤井郁夫
今回のテーマは「値段をつけたのは だれ?」少し話しにくいかな、好みが分かれるかな、などと思いながらも13名の方々にご参加いただきました。
以下、その時の様子をご報告いたします。
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冒頭、ご自分で商売をなさっている方の、値段をつけるのは「自分だ」と言う発言で始まりました。すかさず、家電製品を言い値で買うのはありえない。だから値段は買う側が決めているのではないか。と、主婦の方々が反応すると、値引き交渉や「他店対抗」は売る側の戦略である。など売る側、買う側の話が日常の具体的な例を挙げながら続きました。
どうやら、「買うこと」を評価している自分がいて、買ってもよい基準で買えた時はよし。高く買ったり自分の基準が甘かったら失敗。思い切り安く買えたら満足、とその基準はあらゆる物の値段を絶えず比較しながら周りの情報から得る…ようです。
一方で買う時には単に値段が安いことで決めているのではないことも皆さんに共通していることでした。例えば、「手に入れることそのものに価値を見出す」ことがあって、マニアの方々のプレミアのついた品々のコレクションがあります。
その中から、応援したい店で買うことや応援したい商品を買うこともあって、これは、店や商品を選択することで値段をつけていると言えるのではないか。さらにそこから、「より付加価値をつける」という値決めの方法がある、あるいは「相場」が決めるのではないかという意見が出てきました。
カフェトレピエの有機コーヒーも付加価値をうまくPRしている例でしょう。有機栽培の野菜など、コストが高くなりますが、それをカバーするように健康への配慮などの付加価値を認めてもらうことで売ることができている例も挙げられました。
バザーや学園祭で販売するものの値段を決める時は、買ってくれる人たちを想定して、いわば「相場」を意識しています。しかしその相場にはかなりの幅があるようです。大学生と一般の人たちでは払えるお金に違いがあるようで、そこを間違えると、全く売れない…。
「買い方」に価値を見出すことがある、と言う話が出ました。「フェアトレード」もそうだし、「寄付付きの商品」などを購入する場合がそうです。しかしフェアトレードのような売り方は不透明な部分が感じられることもあるようで、賛否両論が出ていました。
「オークション」や「入札」にも話が及びました。入札はオークションより買いたい側の意志がより強く出るようです。自分で決めなくても買う側が高く決めてくれるオークションは売る側にとって便利な仕組みです。
場所や時間も値段を決めるときの要素になります。観光地のジュースはわかりやすい例でした。絵画のように画家の死後、絵の値段が上がることが多く、これはまるで「時間が値段を決め」ているようです。
買う側の自分の意志で決める値段に一番近い例が、大道芸人への投げ銭。
世間相場が強く作用する例として、葬式などの時の「お布施」。
その中間にオークションで買い手同士が競い合って決める値段があるようです。
一方、売る側が強気で値段を決められるのは売れる自信のある時です。中にはこんな例が…学園祭でのたこ焼きの値決め。共学大で200円のたこ焼きは女子大では350円でも売れる!…など皆さんの具体的な経験を踏まえた発言をたくさんしていただきました。
また、売る側には売れないときは、損を大きくしないようにという別の価値観から値引きをします。その時は売れてしまうことが目的なので、言い値で売ることもあります。無論その時にはどんな商品が残っているかは運次第です。
客に値段を決めさせる旅館があるそうです。不思議なやり方ですが、値段を決めるのを客の側に任せてしまうのは、損なようで意外に得かも。自然に世間相場に合うようになるから、です。
いろいろな意見が、具体的な例をともなって意外に買い手が値段を決めていることが多いのに気づかされました。
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たくさん頂いたご発言を、例によってミミズが這ったようなメモを判読していきますと、やはりとても面白い。中には自分で書いた字が読めないこともありましたが、箇条書きにして63回の発言を拾い出しました。
2時間のカフェですので、2分に1回、発言して頂いたことになります。前回は54回の発言を拾い出すことができました。
参加者の皆様に、今回のテーマでは非常に具体的な体験を伴った意見をたくさん出してもらいました。これらは、一人でいくら考えていても出てくるわけがありません。
テーマを膨らませる方法や手法はいろいろあるのでしょうが、皆様に膨らませて頂くのが一番だと感じています。うまく膨らむ場合もそうでない場合もいろいろありますが、その中で参加者それぞれの発見、気づき、あるいは新たな疑問、そして頭の中をかき混ぜられたような感覚を抱いていただけたら、幸いです。
さて、次回は3月17日(日)の予定です。テーマは「贈る言葉」です。
また、お会いしましょう。
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- 2013/02/16(土) 17:00:10|
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