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以心伝心心~あまがさき哲学カフェ~

哲学カフェに行ってみませんか。 お茶を飲みながら他の人の話を聞いてみる。結論は求めません。カフェで賑やかに話せればいいですね。

あまがさき哲学カフェの一時中止と再開について


あまがさき哲学カフェを9月から再開するに当たり、この間に考えたことなどをお伝えします。

6月17日に行う予定だった哲学カフェでのテーマ設定が不適切でした。攻撃的な言動や差別的な発言を招きかねないテーマでした。
このことで心を痛めた方々に、お詫び申し上げます。

6月16日ある方から電話で哲学カフェのテーマが「ヘイトスピーチである」「私は攻撃されたと感じた」「このテーマでは当事者は参加できない」などと抗議をされました。この事態を受け、当初のテーマでの哲学カフェは行わないことを決めました。

私が差別発言をしたと指摘を受けたことについて、私はヘイトスピーチがどんなことなのか漠然とした認識をしていました。なぜこのテーマがヘイトスピーチになるのか、よくわかりませんでした。この方が「攻撃されたと感じた」ことについては、安全で安心な場を作ろうとしてきた私がそのようなことをしてしまい申し訳なく思いました。また、当事者は参加できないと指摘された点についても同様に誠に申し訳ないと思いました。

翌日の哲学カフェはテーマを変えて行いました。終了後、参加者の方やカフェフィロ代表の山本さんと話せたことは幸いでした。
マイノリティーと利権を「と」で結び付けたことで別の意味が生じている、という指摘に驚きました。マイノリティーと利権を結び付けることはヘイトスピーチでよく用いられる方法だと言うことでした。

利権という言葉の私の理解は、1960年から70年代の金権政治と言われ、国富を左右するようなもの、例えば高速道路や新幹線の建設や戦闘機の購入など巨額の金銭を動かすことで大きな利益を得ようとする、あるいは公営事業の民営化や規制緩和によって公益を犠牲にしながら大きな利益を得ようとする、そのようなものです。

マイノリティーと利権がどう絡むのか、私には全く想像ができませんでした。このテーマが参加者から提案されたとき、私が拒否しなかったのはこの二つの結びつけて話すことがどんな事態を意味しているか分からなかったからです。
進行において不測の事態に備える心づもりはありました。しかし、テーマがマイノリティーが利権を得た、あるいは得るための活動したことを話すものだと捉えられ、その主張をしたい人が集まったり、声の大きな人の声のみが響いたりしてその結果、場が荒れて前提を疑うことができなくなる。参加を避ける人も出てきます。
この点に私は気が付きませんでした。進行役がコントロールできる範囲を超える事態を想定しませんでした。

哲学カフェが差別やヘイトを拡大生産する場になりかねない事態は大変不本意です。そのようなことになりかけたことを情けなく思います。

抗議された方がnoteにこの件を書かれました。書く内容は事前に知らせていただきました。それから私の知らない方から暴言を吐かれる経験をしました。知らない誰かの、目的が分からない横やりのような暴言がこれほど怖いものだと初めて知りました。

私は本名で活動をしてきました。それは私に至らないことがあったら連絡していただけるようにと思ってのことです。
しかし、これが誰によってどう使われるのかはわからない。私には守りたい人たちがいます。あまがさき哲学カフェを再開するかどうか、フェードアウトすることが“安全”なのではないか。多くの方に迷惑をおかけしないほうが良い。

その一方でこれまで関わってきたたくさんの方々と引き続き考えていきたい、対等な関係の中で安心して発言できる場を作ること、参加者の安全を守ること、これらを通じて場を育てていきたい。

不安で逃げ出したい気持ちがある一方、今回のことでたくさんの方にご心配をいただきました。皆さんに支えられて10年間続けて来られたことを想いながら、初めて哲学カフェを主催した時の怖さとはまた別の怖さを感じながら再開します。

再開に当たり今回の件を踏まえ、カフェフィロの研修などを通じ知識の習得を進めます。テーマの設定方法は変更し、必要に応じてメタ哲学カフェへの移行も行うようにします。これらを通じてよりよい対話の場が育つように努めてまいります。

                                                       あまがさき哲学カフェ 赤井 郁夫
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