2023年3月11日(土)14-16時 西富松会館
武庫之荘哲学カフェ「特攻隊」 11名
武庫之荘哲学カフェはここ3回ほどを「生命」を考えるシリーズに取り組んでいます。今回は「生命」を考える切り口として特攻隊をテーマに行いました。
皆さまの関心を呼んだのか11名にご参加いただきました。この人数はコロナの影響が現れる前に戻ったようです。
参加者の中には知覧特攻平和会館などを訪れたことがある方や関係者の講演を聞かれた方も数名おられました。
哲学カフェを進めているうちに私は何か違和感を覚えました。
それは、神風特攻隊だけが特別に扱われているかのように思われる事への違和感でした。辞世の句や家族への遺書が残っていて、しかも集積・展示されていることは、まれなことなように思います。
レイテ島や白骨街道で多くの死者が出ました。何かを残せた人は少なかっただろうと思います。
ひきよせて寄り添ふごとく刺ししかば声も立てなくくづおれて伏す
宮 柊二 歌集「山西省」
歌人の宮柊二が昭和14年から18年、華北の山西省に応招し転戦した時に敵兵を銃剣で倒した時の歌です。
神風特別攻撃隊は、敵国の九州上陸を遅らせるため作戦として真珠湾攻撃の際に編成された特殊潜航艇による特別攻撃隊に次いで結成されました。
作戦として行われた特攻になぜ特別な思いが募らせるのか、なにが華北やレイテ島や白骨街道で死んでいった兵士と違うのでしょうか。
哲学カフェの終わり掛けに、戦争における他の作戦と同じく、神風特攻隊は特別ではなくよくあり得ることなのだ、と気づきました。そして神風特攻隊が名を馳せたことは、おそらく原爆を発明したことと同じく、人類のミーム(文化的な遺伝子)として私たちの世界に組み込まれてしまったのだと思います。
このミームは宗教や政治などと引っ付いてあらゆる国や文化のあるところに出現することになっているのでしょう。
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次回の武庫之荘哲学カフェは、4月8日(土)14-16時開催です。
テーマはまだ決まっておりません。追ってご連絡することといたします。
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- 2023/03/12(日) 12:43:58|
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