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以心伝心心~あまがさき哲学カフェ~

哲学カフェに行ってみませんか。 お茶を飲みながら他の人の話を聞いてみる。結論は求めません。カフェで賑やかに話せればいいですね。

【あまがさき哲学カフェ】開催報告 1月28日子どもの育ち哲学カフェ

【あまがさき哲学カフェ 子どもの育ち哲学カフェ】開催報告

日時: 2023年1月28日(土) 13:10-16:45
テーマ:「親離れ、子離れ」    参加者:2名

私と仲間が運営している子どもの社会的場所「ぐれいぷハウス」や自立支援型シェアハウス「ますかっと」には自立や独り立ちを目指す子どもたちがいます。
様々な事情がどのように影響するのか予断を許さない、どんな事態が生じるか予測が付かない中、子どもたちは自立に向け日々考え続けています。

<子どもの育ち哲学カフェ>はテーマを「子どもの育ち」に特化した哲学カフェです。子どもの育ちの仕上げともいえる独り立ちをしていくシーズンに、親子関係の結びなおしをテーマにして話し合いました。

進行役を含めて参加者から具体的な体験、事例の提供を受けました。そこから掘っていくと断片と断片がつながっていく。長時間の哲学的対話だからこそ味わえる視界が開けていく感覚です。


◆経済状況と家族
そもそも親離れとか子離れという言葉は50年ほど前から使われ出したと思います。それまでの日本の社会は貧しく家族で助け合って暮らすのが当たり前でした。高度経済成長期を経て80年代に入り、ようやく豊かさを感じられるようになったころから家族から離れて暮らす若者が増え、そのころに親離れ、子離れなどと言われるようになったと思います。

家族の成員が家を出る、ということは近代的な事象であり女性の社会進出と機を同じくしています。一人で暮らせる状況が生まれてきた。それまでは例えば年寄りの面倒は家族の女性が見る、長い時間でみればそれはお互いさまと了解されていたことがバラバラになっていきました。

このような時代的背景があって、親と子の関係が変化してきたのでしょう。親が子を勘当すると言うことがありましたが、それが対等な関係に変化してきました。

◆逃げる
例えば、親から暴力を受けたり搾取されたりしていてそれから逃れるために家出をします。物理的に離れることは良いと思います。しかし、家出しただけでは精神的に離れることはできないでしょう。
これが上手くいかないと他人がかつての自分のような振る舞いをしていたり、搾取されたり、暴力を受けていたりするのを見るたびに、過去の自分を投影して反応してしまうでしょう。
当時のネガティブな感情を解消するために、自分で折り合いをつけられる人と、相手に対峙することで折り合いをつける人がいるようです。

◆子どもを育むこと
小さい子どもにとって親は神的存在です。この親は神であると言う感覚をリセットして、親も人間であってそれとの関係も人間対人間の関係なのだと変わっていく、これが親離れ子離れで起こっている事でしょう。
親にとっては「子どもを育てる」ことで、かけがえのない喜びと幸せをその子によってもたらされています。親は子どもを育てることを選び、そして親は充足感や満足感をすでに得ています。従って子離れに当たって、親の側が対等な関係を結びなおすことを宣言する場合もあるでしょう。例えば成人したら子どもは子どもの人生を歩むように宣言し、それを促すようなことです。

◆親殺し
しかし、親が神であり続けようとする場合、子どもは神たる親を殺して、人間である親と関係を結び直すことが必要です(親殺し)。

親の言うことは絶対、という洗脳を解くため、親の言動が世間一般と違うと言う認識がスタートラインになります。次に神たる親に言えなかった本音を話す。分かってもらうことで親に神であることをやめてもらう/やめさせることです。
このプロセスが上手くいくかどうか、うまくいかない場合は長い時間その機会をうかがうことになるでしょう。親殺しができないまま親が神の地位を降りないとき、鬼子母神が生まれるのかもしれません(子どもを食い散らす神)。

親が神であることをやめないのは、親の劣等感が子どもを受け入れない/受け入れられないにつながっている場合もあるでしょう。我が子をいい子だと思いたくない。そのような親に育てられた場合、誰が自分を認めてくれるのかわからず、うまく自分で自分を認めることができないまま大人になってしまうことがあります(アダルトチルドレン)。他人に認められることを求め続けると、誰かに依存することにもなります。

神としての親の言葉を疑え、そして親の本音を引き出せ。そのためにまず、自分の本音を伝えられるようにならなくてはいけない。自立の前に自分のことを話せるようになることが大事だと言うことに通じています。

◆自分を育てる
ネガティブな経験を何回も記憶の底から引き出していると、よりつらくなります。その時、同じような経験でもそれをポジティブに上書きすることで、記憶の底から引き出してくる回数を減らすことができるようです。

親に頼んで、親だからわかってくれると期待するがその反応によって自分がマイナスにならないように、自分をコントロールすることはできるようです。ダメージを避けられるようになることは大事です。

意識によって自分の行動はコントロールできる、という体験をしました。すると自分にとって良いことをイメージして意識的に行動することができるようになりました。
日常生活で、否定してしまう自分を緩和する。そのために自分で自分の行動を褒める。自分を責めない。自分を大好きになる。など暗示を使いながらトレーニングをすることができます。

例えば経済的搾取されようとするとき、「私の10万円をなぜ、どう使うのか」ということを徹底的に納得するまで明らかにすることは、親が神であることをやめさせるのに役に立つと思います。

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親との付き合い方を考えなくてはならない子どもはたくさんいます。
その子どもたち自身が親と向き合っていかなくてはなりません。哲学的対話がこのような場面で有効に働くことを期待しながら、今日の成果を活かそうと思いました。

子どもの育ち哲学カフェは来月2月25日(日)の予定です。1部2部と続く少し長めの哲学的対話です。深く掘っていくことができますので、普段の哲学カフェとは一味違う楽しみ方ができると思います。

お気軽にお立ち寄りください。


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