皆さま
日頃は「あまがさき哲学カフェ」にご参加いただきありがとうございます。
尼崎市内で哲学カフェを始めて10年。たくさんの参加者の皆さまに支えられながら、延べ開催回数は600回を超えました。週1回以上のペースで開催して来たことになります。多ければよいと言うわけではないでしょう。できるだけ哲学的対話と言うものを私たちの身近なものにしたい、と思って回数を増やしてきた結果です。
ただ回数を増やすだけでは面白くない、色々な哲学的対話があることも知っていただきたいと思いました。シネマ哲学カフェ、哲学バー、ソクラティックダイアログ、哲学カフェマラソン、喫茶去短歌会(哲学的対話歌会)、朗読からはじまる(朗読哲学カフェ) などを行ってきました。
今日は色々な哲学カフェの中から「eカフェ」をご紹介します。
日本語と英語で行う哲学カフェです。英語で行う哲学カフェは日本国内に何か所かあるようです。でも、英語が話せなくても日本語が分からなくても良いと言う哲学カフェはないようです。
アイデアル英会話教室(兵庫県伊丹市野間)のオーナーであるJoseph Carrol (ロンドン出身、日本には15年以上在住)と私が共同で開催しています。場所はアイデアル英会話教室を使い、進行は私が行っています。
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<eカフェの様子>
eカフェのテーマはあらかじめ決められています。前回のカフェの終了時に次回のテーマを参加者の皆さんと一緒に決めておきます。英語と日本語を使うのでテーマも他の哲学カフェと少し違った感じになります。例えば、「文化」をテーマにしようとする場合cultureがよいのかArtsの方がしっくりくるのか、などとややこしくなります。この辺から既に面白いです。
哲学カフェには色々なやり方があります。私はカフェフィロが行っている哲学カフェの方法に準拠しています。テーマを決め、問いを立てます。発言する・しないは自由。他の人の意見を否定するのではなく、多様な意見を聞いてみる。結論は求めません。終わったら大抵はすっきりしないので、モヤモヤしながら反芻してもらいます。
eカフェも大体このように進みます。少し違ったことを取り入れようとしています。それが
<eカフェの種(たね)>です。
カフェのオーナーは決められたテーマについて事前に調べます。 カフェの冒頭、いつものようにルールの説明を行います。その後、オーナーからテーマについて調べたこと3点を5分程度で紹介します。これは、テーマに関する「種まき」のようなものです。 ここからセッションが始まります。まず「問いを立て」ます。これがテーマに切り込んでいく切り口になります。参加者からいくつか問いが立ってきますので、一つの問いを選びます。この段階は10分程度かかります。 <英語と日本語使うこと> 一つ問いを決め、それに関して皆さんから意見を出し合います。分かりにくいこともあるので、遠慮なくどういうことですか?と問い返すことも大事です。また、反対意見ももちろん結構です。一つの意見に対し、角度を変え、言葉を変えながらやり取りをしていくと、その意見の本当の意味や理由などが分かってきます。言明されていなくてもなにかしら条件が付いていることもあります。その条件を理解すると、その場合はそうだけど違う場合はどうなるのか、などと深掘りできるきっかけになります。 eカフェは他の哲学カフェと異なり英語と日本語を使用します。参加者の中には英語も日本語も十分理解されている方もいらっしゃいますが、進行役を務める私は英語が堪能とはとても言えません。オーナーのジョーは日本語が余り分かりません。そこで参加者の方々も含め英語ではどう表現するの、とか日本語のニュアンスは違うな、などとテーマとは別に言語についての話し合いになることがしばしばあります。 日本語話者の数が多いと、日本語での議論が進みます。すると、ジョーが「What are you talking about?」「Hey! Transrate it!」と言ったり、英語で議論がはずんでいると参加者から「今、なんて言ったんですか?」と聞かれたりします。その時は、一旦議論を止めて通訳したり説明したりします。この様子を他の人も見ています。それが話していたことのおさらいになり、そこでまた違うことに気が付いたりします。 <ブレイク!> 1時間ほど話したころでブレイクを設けています。哲学カフェは疲れる、とおっしゃる方は多くいらっしゃいます。実は私も哲学カフェに参加する場合はそうです。他人の発言を一生懸命に聞いて、何か発言しようと考えているとかなり疲れます。実は、進行役をしているとその点では楽なのです。。。 ブレイクを設けるのは、他にも意味があります。哲学カフェの濃密?な雰囲気が合わなかったり、よくわからない言語を聞いていることに疲れたり、テーマや問いの内容が重たく感じられたりする場合はブレイクの時間に退出していただくことが出来ます(あまがさき哲学カフェの行う哲学カフェはいずれも途中参加退場自由です)。 もともと、哲学カフェは発言が強制されることはありません。加えてこのような配慮をすることで気楽に参加していただけるようになったら幸いだと考えています。 <eカフェでの出会い> 英語と日本語で行う哲学カフェを始めて9年になります。90回を越えて続いていることに驚いてしまいます。多い時で10名ほど、少ない時で2名と参加者の人数には幅があります。しつこく続けていると、しばらく来られなくてもふらりと来ていただけることも多く、ありがたいことです。 英語を話そうと言う方は多いのですが、英語で自分の意見を言ったり議論をしたりと“使いこなす”ようになるには相当の研鑽が必要だと思います。eカフェはそこまでギリギリやるわけではありません。しかし、毎月楽しみながらも英語で議論をする経験を積めるので英語で話したいと思っている方にはeカフェは良い場所だと思います。 ************************************** オーナーのジョーは映画が好きです。「英語で映画を見る会」をしたり、持ち寄りパーティーをしたりと哲学カフェではなくなることもあるのですが、楽しめる場になっています。 eカフェは毎月第2日曜午後2時から4時まで。会場は「アイデアル英会話教室」(伊丹市野間)参加費500円。予約不要。途中参加退場自由。どなたでもご参加いただけます。 10年目のあまがさき哲学カフェをこれからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
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2022/09/13(火) 19:54:11 |
哲学カフェについて
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