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以心伝心心~あまがさき哲学カフェ~

哲学カフェに行ってみませんか。 お茶を飲みながら他の人の話を聞いてみる。結論は求めません。カフェで賑やかに話せればいいですね。

【あまがさき哲学カフェ】20220313 eカフェ開催報告

2022年3月13日(日)14-16時 eカフェ 参加者4名
テーマ:Make a better place

開始からこのテーマの意味はどういうことか、このテーマはどっちを向いているのかなどとテーマに対する疑問が出されました。

前回、Going to spaceと言うテーマで話した時には空間について話しました。面白かったのは、Spaceは宇宙と言うより居場所とか隙間とかの意味でとらえた参加者が多かったことです。今回は場所です。しかも、よりよい場所とはどういうことでしょうか。

◆逃げる
雑談しているうちに、いたくない場所から逃げることについて、それはどうかと言う話になりました。次になぜ今ここにいるのかを、吟味していきました。

居たくない場所の例として嫌な空間、例えば騒音のひどいあるいは嫌な音が鳴り続いている場所があったとします。するとある人はさっさとその場を去る、と言いますがある人はその騒音を立てている原因に働きかける、と言います。

働きかけて原因が解決しなかった場合、ある人はそこでその場を去ると言います。ある人はその働きかけが適切ではないと考えて働きかけを続けると言います。

そして立ち去った人は騒音のしない場所へ移動します。その場所はbetter placeです。嫌な場所から立ち去ることはbetter placeを探しに出る動機になるようです。

ここから、人間が住む場所を決める動機として居心地の悪い場所を離れ他の場所を探すことは、強い動機になるとことが分かりました。
英国人のジョーがなぜ日本にいるのか。彼が自分の半生を語りながら今ここにいる理由を明らかにしていきます。

◆ケアすること
次に、居心地の悪い相手がいたらどうするか。これもさっさとその場を離れると言う人がいました。なぜなら無駄または徒労に終わるから。そこで居心地の悪い相手の例として授業中にすぐ騒ぎ出す子どもの話になりました。

ジョーの英会話教室では言うことを聞かない子がいると、一旦5分間だけ教室から離すそうです。そうすると大抵落ち着くので教室に戻ることができます。

そのような話をしながらこの英会話教室では「教えることは40%、ケアをすることが60%」だと言います。
それを聞いて私のぐれいぷハウスでは「教えることは10%、ケアは90%」だと言います。

なぜ、ケアをするのか。ジョーはそうすることが英会話教室へ来てくれる生徒を獲得する一番良い方法だからだと言います。彼のケアのポイントは親御さんです。

教室で何を行っているのか、なぜ行うのかを分かりやすく親御さんに説明します。そして、教室で取り組む一旦クールダウンすることは、親御さんと一緒に子どものケアをしているのだと言います。

◆離れられない場所
次に、では居心地の悪い場所から離れられない、としたらどうするのでしょう。例えば教室から逃げ出すことを考えました。教室が居心地悪いことはありますね。でも実際に離れることは多くはありません。

ジョーの言うケアを続けることは教室にいる他の子どもにとっては居心地の悪さを減らされていることになるでしょう。おまけにケアを受けた子どもが戻ってくれば、誰にとっても居心地のいい場所になっていると言うことではないでしょうか。
ここまで来て、私たちは気が付きました。

Make a better place.の意味はケアの重なり合う場所なのだろうと言うことです。大きなケアではないちょっとした気遣いのような小さなケアを誰もが誰かにしていると、そこは誰にとっても居心地の良い場所になるのではないでしょうか。

どこかへ行かなくても、逃げなくても大きなことはできなくても、小さな気遣いを重ねていくことはbetter placeを作ることになるようです。

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始まりはこのテーマは哲学的なのか?などと言う疑問をからでした。
終わってみれば、こんな哲学的なテーマはなかった! と感動すらありました。

このテーマはマイケル・ジャクソンのHeal the world の一節からとったものです。
どこへも逃げられないとき、そこをbetter placeにする方法はある。


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