【ソクラティックダイアログ】
「一日ソクラティクダイアログ」の様子をブログにアップしました。2,3日かけて行うこともあるセッションを1日でやってしまおうという取り組みでした。
詳細はブログをご覧下さい。http://cashewnut27.blog.fc2.com/
◆テーマは「やさしさとはなにか」でした。
議論はいくつかの焦点を作りながら進んでいきました。その様子を見ながら私なりに「やさしさとはなにか」を考えてみました。
やさしさは、やさしげな様子がカギを握っているように思います。やわらかく、あたたかく、包み込まれるような心地よさ、これらの感覚がやさしさの根っこに横たわっているように思います。
やさしさを感じる、つまりやさしさを受ける側には安心感や心地よさなど穏やかでいて晴れやかな満足感に満たされることがあるように思います。
これは、誰かの好意によって引き起こされた感覚なので実際にそこに何かやわらかなものがあるわけではありません。やわらかなものに包まれた時の感覚を思い出させる他人の行動があるということでしょうか。
すると、やさしい、ということは、ある人を心地よくするであろう行動のことではないでしょうか。
問題はやさしくする側、つまりやさしさを発信する側は、それを受けてくれる側がどう反応するかは保証のないまま、思い切って行動することになります。
◆【ソクラティックダイアログ】ではまず初めにテーマを設定します。つぎににテーマについて具体的な事例を用意します。セッション終了時に答えを具体的な事例に戻って当てはめてみます。
ここでシミュレーションをしてみましょう。
「やさしさとはなにか」を考えるための例
幼子を相手にしていると、眠そうだなと見えることがあります。その時は駄々をこねているようでも抱き上げて寝かしつけます。
腕の中でのけぞったり腕をつっぱたり声をあげたりして私の腕をすり抜けようとするのを何度も持ち替えている間に、あくびがひとつ。
やがて顔をこすりつけてくるとなんでこんな姿勢で寝るのか、と思うような手足はバラバラ首はそっぽを向いたまま、寝てしまいます。
しっかりと寝入るまで幼子を抱いて揺れていると、私もやさしさに包み込まれているように感じます。
◆さて、【一日ソクラティックダイアログ】での答えを見てみましょう。
「やさしさとは
・その人が思うコミュニティーに支えられた「いい事」を受信/発信する側が共有できること。
・伝える側が、受け取る側が自分の責任であると、ゆだねること。
・寛容であり心地よさである。」
この答えを次のように言い換えてみると私の感じたやさしさにぴったりのように思います。
『やさしさとは、私の過ごしてきた時間に支えられて私が思う「寛容さ」や「心地よさ」を誰かに伝え、ゆだねること。そしてそれを伝えた誰かと共有すること。』
◆【一日ソクラティックダイアログ】に参加していただいた皆様はそれぞれご自分の事例に戻って答えを当てはめてみてください。
哲学カフェは終了後にモヤモヤして続きを考えることも多いのですが、【ソクラティックダイアログ】は自分の提出した事例に戻って考えてみることができます。
私としては、今回の答えはかなりよくできた答えだったな、と思っています。
◆【一日ソクラティックダイアログ】を続けます。
今回はご参加いただけなかった方々にもぜひ、体験していただきたいと思います。
ソクラティックダイアログや哲学的対話の面白さをお伝えしつつ、更には日常の問題について「自分たちで考えるこ」とをしていきたいと思います。
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