第28回哲学カフェ@武庫公民館 2018年7月18日 14時~16時
テーマ「しがらみ」 参加14名しがらみはあまり良い表現としては使われないようです。そこで、あえて「いいしがらみ」を考えていただいたところから始まりました。
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◆ mustとwant
・良いしがらみとは、何か思わず進んでしまう事態にブレーキをかける、良い意味での邪魔をすることで安全を確保できる場合、そのしがらみは良いしがらみと言えるのではないでしょうか。
・現代の結婚制度は法律婚ですが、これも簡単に関係を解消できないようにすることで社会に安定をもたらす効果があるのでしょう。
・しがらみが効果を持つのはそれが外側からの圧力、権力として働くからでしょうか。mustと言えるように思います。
・しがらみと言う言葉から「しがみつく」と言う言葉を連想します。
・しがらみが外からのものだとすると、「こだわり」は内側からかかっている圧力でしょうか。これはwantかな。
◆川の流れ
・しがらみは漢字で柵(さく)と書きます。これは昔、木造の橋が洪水の際に流されたり壊されたりするのを防ぐため、橋げたの上流側に作ったサクのことです。これがあるから流れてきたものが橋げたにぶつからず、橋が守られるわけです。
・とすると、流れを妨げますね。流れてきたものが柵に引っかかって、ついには溢れたりすることもありそうです。
・普段から自然にいろんなものが絡まったり、人間関係からまとわりついたりしてこわせないものじゃないでしょうか。
・しがらみとは社会が発生するところに必ずある、社会規範・義理・概念・システムのようなものではないでしょうか。
◆いつ現れる
・自分にとってそのしがらみが都合の良い時はしがらみと認識されないのではないでしょうか。自分にとって都合が悪いことがあると「しがらみ」と認識される。
・しがらみは捨てられません。止められません。何かを作って行く中で積み重なっていくようなものではないでしょうか。
◆血縁
・結婚願望のある人はしがらみを求めている、とみることもできるでしょう。覚悟するというか、逃げないように囲むように
・縁はしがらみだと思います。逃げようがない。「イエ」も同様でしょう。しかし一方で縁とか血縁を頼りにしていることもあるでしょう。
・何事も占いで決める、と言う人がいますが、こういう人には何がしがらみなんでしょう。
・占いに捕らわれている、という事もできるしすがりたい気持ちもあるでしょう。すると捕らわれている、ということは占いはしがらみと同じことかもしれません。
◆しがらみは作るもの?
・しがらみは例えば相撲の土俵に女性が上がってはいけないとかアイドルグループの恋愛禁止とか作るものではないでしょうか。
・法律も習慣とか不文律とかを明文化したもので、しがらみそのものではないでしょうか。
・法律婚でも関係を解消しにくくするため、つまりしがらみをわざわざ作っていると思います。同棲には関係を解消しにくくする機能は付け加わっていないと思います。
◆運命と宿命
・いつどこに生まれたか、と言うようなことは変えようがありません。一方運命は変えられます。それがしがらみではないでしょうか。絶対に変えられないものではない、しかし変えるのは大変といったものです。
・ルールは勝手には破られない、先輩への気兼ね、嫌われるのが不安、などはしがらみとなってその人を束縛するのではないでしょうか。
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しがらみとは抵抗勢力みたいな足かせとか向かい風のような感じなのでしょうか。たくさんご意見をいただきました。面白かったのはどうやらしがらみは私達の生活に必要なものでありそうな点、そして変更可能なものであるような点です。
私にとってのしがらみは定年前までならば「生活の安定」だったのかもしれません。
さて、哲学カフェ@武庫公民館は8月はお休みします。
代わりに尼崎市女性センター「トレピエ」で8月19日13時半~15時半 「子ども哲学カフェ」を行います。テーマは「なぜ、勉強しなくてはならないか?」です。
参加費:500円(高校生以下無料)
参加希望の方はcashewnut27@gmail.com赤井または携帯電話080-6144-7331赤井までどうぞ。
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- 2018/07/19(木) 22:46:35|
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