第十四回 哲学カフェ@武庫公民館 「風習」 開催報告
日時:平成29年4月30日(日)14時~16時 場所:武庫公民館
参加:11名(初参加2名)
連休の最中、11名にお集まりいただきました。みなさまありがとうございました。初参加の方2名を迎え、たくさんの発言がありました。
「風習」は土地々々に伝わるものですが、変わった風習は興味を引きます。外部から見ると奇妙なものもたくさんあるようです。しかし、その理由は納得できるものが大半でむしろその生活の知恵、生き抜くための知恵であることが多いようです。
色々な視点から「風習」を考えてみました。皆さんはどのようにお考えでしょうか。
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◆逆さ箒
・風習は英語でCustomとなります。習慣と言う意味があります。
・「京の茶漬け」とか、「逆さ箒」などの風習は凶を避け、吉を近づけるものだと思います。
・風習を知らないほかの土地の人が真似て行うと、場合によってはリスクになります。逆に、風習を知らない人を風習で包むのは、逸脱されるリスクもあります。
・「習わし」と言うのは、柔らかい法律のようなもので、これがないとその共同体が成り立たないと思われるものです。また、その共同体にとっては公序良俗を表し、「常識やで」と思われるものです。
・風習は、価値観でありタブーや禁忌を含んでいます。
・しがらみと言うか、例えば盆暮のあいさつなど絶対に必要だったものですが、時代が移ると、費用対効果や高齢化の影響を受けて変わっていくようです。
・いろいろな風習が昔話の中によく出てくるとおもいますが、その場合の風習は、その土地でよりよく生きるための方法を示しているように思います。
◆風土
・「風」と言う文字が付く風土とは、その土地を意味します。風習も土地とは切り離せないモノでしょう。
・個人的なこだわりが習慣化し、さらに家族などのグループの習慣となることがあると思います。このように、個人的な癖や習慣が個人が属する共同体で認められると慣習となるでしょう。慣習はグループ的で、社会一般のレベルになります。法律も多くは社会の慣習に基づいています。
・風習は本来、「風俗、習慣」を縮めた言い方でしょう。もともとは意味のないものであって信仰があってむすびついたものでしょう。例えば、黙とうは広く宗教を越え国を越え共有されている儀礼だと思います。
・儀礼とか文化と言うものは風習が外部からの視線を受け、周りから認められたものでしょうか。
・風習は成文化されません。
・中国ではお箸を落とすとすごく怒られるのだそうです。お箸は単なる道具ではないという事でしょう。
・最近、麺ハラと言われています。地域が異なればタブーなども異なるのでしょう。道徳的な風習に対し、因習と言うようなものはなくなっていくのでしょう。
◆現代社会では
・会社の文化や会社内での習慣がかつての風土に当たるものかもしれません。
・バレンタインデーとかイースターとか経済活動に取り入れられたイベントは風習でしょうか。これらには同調圧力が働いていて催眠にかかっているような状態でしょうか。
・これらのことはいつの間にか当たり前になっているが、考えてみると変です。
・古い風習を現在の価値観で判断したり裁いたりするのはちがうと思います。歴史を理解することで風習も理解できると思います。
・職場の習慣で昔よく流行っていた運動会や旅行などは守るべき価値があるようで、最近また増えてきているようです。このように風習はしぶとく残るものかもしれません。
・風習を認識できる人は風習を相対的に見て笑うことができると思います。
◆グローバル化と風習
・風習が続く条件はなにでしょうか。
・グローバル化は風習が廃れる条件になっています。グローバル化することで外部の視線が減ったりなくなったりするので、風習の必要性を薄れさせるのだと思います。
・風習が個人主義によって破壊されることが起こっていると思います。
・グローバルな社会では風習は形成されながら消えていくのだと思います。どこでも通用するルールみたいなものにとって代わられ、その土地独特の風習はなくなるでしょう。
◆マナー、ルール、エチケット
・風習や習慣に対し、マナーやエチケットと言われるものがあります。いずれも風習とすこし違っているように思います。
・例えばマナー講師と言う人が自分が作ったようなマナーを喧伝しているのは違和感があります。作られた風習で一般の人が知らない、いつの間に作られた?と思うようなマナーもあるようです。
・風習もマナーやエチケットもそれを知らなければ違反もするでしょうが、知っていると違反しにくいものだと思います。
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次回の哲学カフェ@武庫公民館は6月18日(日)14時~16時、テーマは「見返り」です。
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