第45回むこのそう哲学カフェ「意外とはどういうことか」‘16/11/13
会場:子どもの未来を考えるお店「せいのお」 参加:6名
「意外」とはどういうことでしょうか。意外な出来事、意外な結果ということばからは本当はもっと別のことが期待されていたのになぜかそうはならなかったという感じがします。
その一方で意外性を演出することは小説や舞台あるいはプレゼントを贈る場面などで割と頻繁に、日常的に使われているもののようです。
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◆意外とはどんなこと?
・意外と言う言葉に似ている表現として「心外」があります。心外と言う方が強く響き悪い事だと言っているように感じます。
・どんなことが意外な出来事でしょうか
・宝くじで一億円当たった・・・当てることを目的に宝くじを買うので、当たったことは意外な出来事ではないでしょう。
・地震で家がつぶれた・・・予期しているかどうか。日本に住んでいて地震に合わないことはないが、自分がそういう目にあるとどこまで予想しているでしょう。
・英語でUnexpected と言うように意外とは予想外と言う意味なので、予想の範囲を上回っても下回っても意外と感じるのでしょう。
・川辺で何気なく拾った石が実は貴重なものだった・・・予想外のことなのでこれは意外な例でしょう。
・日常生活は想定や固定観念の塊みたいなものでしょう。だから想定外のことが結構たくさん起こっていて意外という言葉がたくさん使われていると思います。
・年を取ると想定内のことが増えて意外と思えることが減ってきます。
◆エンタテイメント
・エンタテイメントの世界では意外を演出することで笑いとか驚きを作りだしていると思います。「秘すれば花」と言う言葉がありますが、先入観が覆る事が人々を惹きつけます。
・意外な展開で人を惹きつけるのは推理小説なども同じですが、プロットが似てくると飽きられます。
・漫才や落語などは演目を繰り返し行いますが、その時の笑いと言うのは意外というものとは関係がなくてわかっているのに可笑しい、わかっているのに笑える、というものが別にあるようです。
・旅に出るというのも意外なモノやコトに出会うことを期待しているように思います。プランをいくら立ててもハプニングが起こり、意外なことに出会えるのが楽しいのではないでしょうか。
・レストランなどでサプライズで誕生日を祝うなどの演出があります。これも意外性を使っていると思います。
・意外性を大事にする、既成概念や先入観、固定観念を揺さぶることを人は大事にしているように思います。
◆石を投げられる
・「意外に」と言ういい方には二通りの意味合いが含まれていると思います。一つは程度を表していて、思ったより~ということで意外に安かった、などの場合です。もう一つが全く予想していなかったことが起こった場合で、例えば、道を歩いていていきなり石を投げられる、と言う場合です。
・エジプトの南の方にあるアスワンと言うところに行ったとき、外国人は石を投げられるぞ、と言われたことがあり、行ってみると本当に子どもに石を投げられました。一つや二つではなく結構投げられ、その時「意外と石を投げられた」と思いました。
◆意外と安心
・意外な出来事は要らないと思います。意外な出来事は生活をかき乱されるような感じがします。
・意外の反対は安心かもしれません。
・意外とは想定範囲外の事だと思うので、想定範囲内を共有することが安心につながっているのかもしれません。
・意外という事を感じないというか、他人が意外だと言っていてもそう思わないことがあります。そもそも予想をしない場合は予想外にはならないでしょう。あるいは世の中なんでもあり得る、と思っている人にとっては意外な出来事など起こらないという事になるように思います。
◆政治と意外
・トランプ氏の当選は意外だと思われているようです。ワイドショーなどでずっとやっていますね。
・政治の世界での意外と言うのは演出されている、コントロールされていると思います。
・マスコミなどの影響があるので、判官びいきも反発も大きくなってなかなか読みにくくなっているので意外に感じることが多くなるように思います。
◆プレゼント
・クリスマスプレゼントを半年前から用意して、相手を驚かすのが楽しみです。
・どんなものを贈ったら驚いてくれるのか、しかも邪魔にならずに好みにも合っているプレゼントと言うのはとても難しいと感じます。
・たいていのプレゼントはあまり楽しめていません。プレゼントするなら何がいいかあらかじめ聞いてもらってそれをいただく方がいいと思っています。ただ、たまたま誕生日を忘れていたら家人が意外にその日を覚えていてケーキをくれた時が一番びっくりしてありがとう、と言ったことがありました。
・プレゼントそのものも工夫をしますが、送るタイミング、場所や、この人から貰うのか、などと言う点も工夫する「仕込み」が大切です。半年前から時間をかけて準備するのです。
・空気を読むと言いますが、何気ない日常をよく観察して「仕込む」とよい意外性の演出ができます。
・なかなか面倒くさいですね。逆に全く空気を読まない場合でも意外な結果になる事はあります。
◆凸凹
・誰もが心のひだみたいな凸凹を持っていて、その凹んだところにはまるようなものを探すことが「仕込み」なのかもしれません。
・どんな人が意外だって言うでしょうか。よく笑う人、ボーっとしている人や好奇心旺盛な人は「意外」だとはあまり言わないように思います。反対に細かい人や関心が広くない人は何か些細と思われることでも「意外だ」と言うように思います。
・子供や運命論者、天然ボケの人は特別なことが発生してもそれを特別だと感じないので「意外だ」とは言わないように思います。
◆仰天
・非常にまれなことが起きた場合は仰天することはあっても意外だとは言わないでしょう。なので意外と言うのはちょっと珍しいという程度ではないでしょうか。
・予測ができたり、知識や事例を多く知っている場合は意外に思うことは少なくなります。
・よその人に驚かれても、当人たちにとっては当たり前という事はよくあります。そうやって比較されることで意外性が浮き彫りになっていくのだと思います。
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活発なお話をいただきました。印象に残ったのがプレゼントの演出についての皆さんのやり取りでした。プレゼントの意外性に楽しさを感じない、と言う方がいらっしゃったと思ったら、しっかりリサーチから始めて効果的な仕込みをすればいくらでも楽しませることができる。と言うようなやり取りがあって意外性と言うものは演出可能であることわかると共にその演出が人生の豊かさみたいなものに繋がっているように感じました。
次回は12月4日(日)15時~18時、eカフェと合同で恒例の「忘年会」です。最初の1時間は哲学カフェ「今年一番気になったテーマ、発言」です。詳細は12月のチラシをご参照ください。
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- 2016/11/15(火) 14:39:42|
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