第13回むこのそうシネマ哲学カフェ、終了しました。8名の方にお集まりいただきました。ご参加いただいた皆さまありがとうございました。今回のテーマは「パーソナルソング」でした。昨年8月に知り合いの音楽療法士の方に音楽療法を紹介するイベントを行ってもらいました。音楽が持つ力によって困難な状況にある人たちの底力を引き出す、音楽を通じて寄り添うことで安心して自分を表現することできるようになる、そのような音楽療法を知ることが出来ました。
今日の「パーソナルソング」は各人が経験した音楽にまつわる思い出、経験を引き出すことで内向きに閉じこもってしまった気持ちを外へ向けることが出来る、そうすることで人間らしさや尊厳を取り戻そうとする活動についてのドキュメンタリーでした。
音楽を使ってその人らしさを開花させることが音楽療法であるなら、パーソナルソングはかつての自分らしさを取り戻す切っ掛けとしてその人が最も親しんだ音楽利用する、ということのようでした。
さて、参加者のご意見から、例えば認知症に掛かった方が不安を抱くことなく過ごすことが出来たとしたら昔のものとなったその人らしさを取り戻すことの意味とはなにか、と問うてみたいと思いました。
認知症となり、自分が分からなくなっていく過程のとてつもない不安、それに押しつぶされるように症状が悪化してしまう、周囲とトラブルを起こしてしまうなどの苦しさを回避する手段として、音楽が役に立つと言うことなのでしょうか。
あるいは、認知症の人に近しい人たちが、当人とどのようにコミュニケーションをとったら良いか分からない、コミュニケーションが取れない、と言う事態にたいし、当人の認知症の症状の緩和によって一時的であれコミュニケーションの改善が図られることがメリットなのでしょうか。
認知症となった人に寄り添う手段のひとつとして、施設で介護職を務め利用者と寄り添うことを大切にしている人にとっては、その人らしさを音楽を通じて理解する、と言う手段は魅力的かもしれません。どうやら、他の参加者のご意見にあったように、前回のむこのそう哲学カフェのテーマ「その人らしさを知るとはどういうことか」に違った視線をもたらすものとして、パーソナルソングを捉えることが出来るのかもしれません。
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- 2015/08/16(日) 22:29:07|
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