第十五回:「結婚のメリット・デメリット」 進行役 赤井 郁夫
日時:2014(H26)年3月16日(日)14:00-16:00 参加者:11名(男8名、女3名) 内初参加者2名◆結婚とはなにか
・夫婦関係の良し悪しが結婚のメリット・デメリットに直接影響するようです。
・結婚のメリットは安心感ではないでしょうか。デメリットは何でも自分の自由にならないことです。しかし、金が自分の自由にならなくても、子供に使えばそれは喜びを与えてくれると思います。
・安心感や喜びと言うものは結婚していなくても恋愛関係がうまくいけば安定すると思います。
・今の社会は結婚を選ぶことが前提となっています。会社の福利厚生制度や相続も結婚を前提として考えています。
・結婚は契約であって恋愛とは別なものだと思います。恋愛が結婚と直接結びつくのはごく最近の現象です。
・婚外子の扱いについては法律が変わればいいと思う。
◆自己決定
・自分の決定に家族の同意が必要なのはおかしいのでは。臓器提供から手術の同意までなぜ家族がそれを担うのか、と疑問に思っています。
・社会の在り方を前提とするのはおかしいです。自己決定は近代の産物にすぎません。
・一人は自分の予定は自由です。それが逆に後ろめたいこともあります。
・戸籍制度 これはマイノリティーにとっては問題が多い一方でアイデンティティを産む根拠になっていると思います。
・夫婦は家族の最小単位であって、子はいずれ出ていく。いわば客ですから戸籍制度にとって夫婦単位が大事だということになります。
・一枚の紙(婚姻届)に過ぎないのに、離婚の難しさはなんなのでしょうか。
◆天職と結婚
・結婚していなければ関係が終わればすぐ終わることができるのが良いです。プライベートな事柄だからさっさと終われるのがよい。
・むしろ、それがいやです。結婚と言う制度が歯止めになっていると思います。天職は探すものではないといいますが夫婦も同じではないかとおもいます。
・結婚の起源を考えると、二人の関係を回りが保証する。そこから、国が補償する、社会が保証すると広がっていったと思います。そしてその発展の中で、いつか保証するだけではなく国や社会が自由を制限するようになってきたと思います。
・結婚は何のためにある?と思うと、軽視している事柄が見えてくるようです。老い、死、代を継ぐということが軽視されている。
・子どもを育てるという感覚が昔と今では違います。その仕組みはなんでしょうか。
・メリットがないから結婚しないではなく、デメリットが大きくても結婚すべきだと思います。
◆嫁
・昔は結婚しなければというプレッシャーが強かったと言うが、昔のほうが多様でした。
・結婚したいという文脈はどこから出てくるのでしょうか。
・家同士、嫁姑、親族、と自分の相手との恋愛が覚めても一緒に過ごせるか。その点で恋愛による結婚には無理があるといえるでしょう。制度的に一夫一婦制が成立するには長い時間がかかっています。恋愛と結婚は別のものだと思います。
・結婚のメリットはデメリットを強調するからメリットだとは言えないでしょうか。なかなか積極的なメリット見えません。
・結婚の積極的なメリットは、 ①姻族との広がり、②戸籍ができること③子育て でしょう。
・結婚=子育てと言うのは、制度を変えることは可能でしょう。いつでもこの通りとは言えません。
・むしろ嫁姑問題や親を面倒を見るということで嫁に圧力がかかる(介護制度)と言うデメリットが明白になっています。これらは少しづつ変えていくしかないでしょうね。
・こどもが、女が、親の面倒を見るというのは同居が前提になっていると思います。社会が老人の面倒を見るということに少しづつ変わってきています。
◆やるべきこと
・実の親でも介護は大変。夫の親を面倒みるということが当然のようになっていることはおかしいです。
・介護は大変ではありますが、自分でできることはやるべきだと思います。それは子供たちも親のやり方を見ているからでいつか将来、今度は自分が介護を受ける時にその結果が出ると思います。
・介護でも他の夫婦間の問題でも対処の仕方を愛情の問題にすりかえると間違えてしまいます。
・甲斐性があると言う言い方がありますが、子供を育てるにも甲斐性が必要です。時代背景が変化してきていますが、特に非正規労働者の増加と介護社会制度がなければ・・・大変なことになってきています。
・子どもを育てる負担が大きいと結婚できない、と言うことになりそうです。 学歴、競争、年収と比較することが多すぎて単純に、子供を持つということだけを考えていられないです。
尼さんや虚無僧や結婚外の人はたくさんいた。
◆結婚制度
・結婚制度は、家庭の内側を外から見にくくしています。そのため、周りが知らないうちにDVや虐待が起きてしまうそのような逆機能があります。
・メリット・デメリットは、誰にとっての物なのでしょうか。男と女が一緒に住むときには婚姻していることが前提になっていますが、婚姻届の力は、集団の力、世間体、価値観(子供を持って一人前)によって作り上げられたものです。
・人間には、若さ、というか旬がある、と思います。ですから子供を作るには適切な時期があり、その時期を逃さないように結婚制度もできていると思います。
・本人の覚悟を促すのが結婚制度でもあります。これによって安易に離婚することに歯止めがかかり、まずは子供を育てることを優先するようになっているのでしょう。
・結婚の際に、個人ではなく何かの超越的な力の前に誓うことが行われます。昔は神であったものが、国による裏付けにとってかわったのが結婚制度でしょう。
・社会を安定させるという国の目的からして、国の構成要素としての個人、世帯、を安定させることが必要です。年金問題を見ても子供の数が必要なのは明白ですが、国は人口が安定することを施策の根本においているでしょう。その上に結婚制度の行政的な仕組みがあると思います。
・子どもの与えてくれる喜び、濃密な関係は大事だが、関係性を学ぶ場として家庭は重要です。そしてその中で、しんどい世界を、結婚であれ親子であれどうにもならない人間関係を、経験してそれを逆転させるような経験をすることが人間関係を気築いていく力になるのでしょう。
・同性同士の結婚はどう考えたらいいのでしょう。子孫を残す制度ではないとは思いますが、ある意味恋愛と結婚が一致しているのは事実かもしれません。
・性的マイノリティー本人に取っては、結婚などの問題はほっといてほしい、と言うのが結構大きいようです。ただ、現れない事柄も忘れてはいけないと思います。
・不妊も結婚と考え合わせなくてはいけません。
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今回のテーマはたくさんの人に関わりのある話しやすいテーマかと思っていました。ところが、多様な恋愛や結婚の在り方が存在しているという事実と、子供は親の選択の結果を受け入れざるを得ないこと、それに加えて子供も自分が選択しなくてはいけない、というレッシャーが存在していることに気付いて呆然としてしまいました。
自分の選択が良かった、としてもそれは社会的に全く認められないかもしれないと言う可能性は絶えずあり、それに伴うあらゆることを引き受けざるを得ないしんどさが増していけば、生きづらさに繋がって行くのかもしれません。
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- 2014/03/27(木) 10:07:19|
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