第三十二回むこのそう哲学カフェ 「人生の忘れもの」
2015(H27)年9月20日(日) 14:00-16:00 会場:西富松会館 参加者9名
穏やかな日曜日の午後、お集まりいただきありがとうございました。
人生の忘れもの、フッと思い出すことはたくさんあるのですが、このテーマに触発されるように思い出すこともありました。
さて、そもそも忘れるのはなぜでしょうか。
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◆忘れものについて
・忘れものには良いものと悪いものがあると思います。例えば自分で欲しかったものを買ったことを忘れて、「何か良いものがあったはず」と思う感じがいいです。
・忘れものは、必要でないものだから忘れます。例えばコートや傘などを忘れるのは必要でなくなったときが多いですね。
・忘れものをするときには、思い込んでいるときがあります。
・大事なものでも忘れることはあります。
◆忘れると言うこと
・忘れると言うことは「忘れたことを忘れている」から忘れた本人は認識していないです。つまり忘れた、ということを覚えているのは、それを思い出した後のことでしょう。
・忘却力と言うようなものがあるように思います。自分は忘れているのに他人が覚えていることがあって、久しぶりにあって他人から指摘されて、ビックリすることがあります。そのとき忘れていると言うことは自衛本能のように、自分の中で解決して忘れると言うことでしょうか。
◆思い出す
・実用的な話をすれば、自分の行動パターンから記憶を引き出すことでしょうか。
・忘れられるということと関係があるようです。例えば忘れて困ることは忘れても良いように工夫することがあります。メモを取ったり忘れても良いような代替手段をとったりします。
・昔のことは思い出さなくても良いのに思い出すことがあります。
◆覚えていられない
・覚えていられないものもあります。例えば、いつもこの店で大盛りラーメンを頼んだら満腹で苦しくなってもう頼まんぞ、と思うのにつぎに来た時にはその苦しさを忘れて頼んでしまいます。
・嫌なことは忘れると言いますし、楽しかったら忘れないように思います。
・記憶は、繰り返し覚える努力がいるようです。
・忘れてはいけないと言うプレッシャーが掛かると、まるで上書きされるみたいに新しいことのみ残るようです。逆に、諭されるようにすると記憶によく残ります。
・忘れると言うことは、そのようなプレッシャーに対抗して支配から逃れるように忘れるのではないでしょうか。
◆忘れもののエピソード
・人生でやり残したものと聞かれて笑福亭松鶴は「ババするのわすれたわ」と言ったのが末期の言葉だったそうです。
・何かが切っ掛けになって幼い頃見た風景などを思い出すと、切ないです。それは思い出してももうないものであるからでしょうか。いつまでも覚えて居たいと思うことがあります。
・同窓会などに出ると、昔の自分を覚えていて呉れる。
◆人生におけるわすれもの
・思い出したものと思い出していないものは、コントロール可能なのでしょうか。
・高校生の頃、人生の目標と言うものを立てたことがあって、長らく忘れていて思い出したのが、中国語を勉強する、と言うのがあったのですが、思い出した時点は対象となったことが起こったときから時間が経過していますから、今の価値観を付けて判断していると思います。
・若い頃考えたことは大したことないなあと思う場合、後悔する場合を分けているのは、思い出した時点での価値観なのかもしれません。
・忘れない為には相手とコミュニケーションを保つことではないかと思います。
・済んでしまえば楽しい思い出といいますが、時間が経過して思い出すと客観視できるようです。思い出を加工し、転換することで糧とすることが出来ると思います。
・忘れることと思い出すことを繰り返しているようです。何重にも思い出がある老人はある意味では贅沢です。若い人にはこのようなことが出来ません。
・今の子どもは思い出が一杯です。写真もビデオも残っていてその思い出を再生することが簡単に出来る。今の時代は「思い出まみれ」と言えるかもしれません。
・思い出を並べていると、それらを見ていて何かしたかったはずだと思うことがあって、何かを忘れていることを思い出すことがあります。
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年齢を重ね経験を積んでいくと忘れることも思い出すことも多くなります。若いときの心持ちを思い出すと、恥ずかしさと懐かしさを感じます。忘れていたことを思い出し、それが糧となるようなことがあれば素敵だなと思います。
さて、次回は10月24日土曜日14時〜16時です。会場は子どもの未来を考えるお店「せいのお」、テーマは「言いたいことは言えるか」です。
そもそも、言いたいこととはどんなことでしょうか。なぜ言いたくなるのでしょうか、その言いたいことは言えるのでしょうか。言えないとどうなるのでしょう。他に方法はあるのでしょうか。
言いたいことがないとはどう言うことでしょうか。何も伝えることがないと言うことでしょうか。
秋の夜長、哲学カフェで色々な考えを仕入れ風呂にでも浸かりながら、じっくり吟味してみましょう。どなたでもご参加いただけます。参加費:一品注文+100円
皆さまのご参加をお待ちしております。
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- 2015/09/23(水) 19:54:47|
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第六回園田哲学バー 「支配について」
2015(H27)年9月4日(日) 19:00-21:00 会場:園田地区会館 参加者9名
哲学バーはお好きな飲物を持ち寄って開いています。アルコールも可です。多少軽やかになった気持ちで話をすると、いつもとまた違う切り口が見えてくるようです。
今回のテーマ「支配について」はだれもが支配する・されると言う関係の中で生きているからでしょうか、たくさんのご発言を頂きました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
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◆する側とされる側
・支配には、する側とされる側の立場があります。
・それに加えて、支配がないという状態もあるでしょう。
・支配する側は支配について鈍感で、される側は敏感になると思います。
・支配は関係性の問題だと思います。支配と言う言葉にはあまり良い感じがしません。どちらかと言うと否定的で他人を束縛する=自由がない、他人に左右される振り回される感じがします。
・歴史の中で人間は共存しようとして支配する方もされる方も折り合いをつけて来たのだと思います。
◆支配と同意
・支配には関係性以外に、ルール・法律・道徳規範などに縛られること、物理的な支配や生物的な支配もあります。
・ルール・法律・道徳規範に従うことは支配ではないと思います。
・物理的な環境や空気(例:島国に住む、農耕民族である)や生物的(食べなくてはならない)は、これらの制約から自由になろうとして農耕したり飛行機を作ったりして来たのでしょう。
・人が生活する以上、ある程度自然を改造して支配する、と言うことは必要です。
・ルールや法律・道徳に従うのは支配ではなく、同意だと思う。
・生きる為の条件を心配することが、支配の出発点ではないか(食べ物、環境)
◆支配されているということ
・支配がないと言う状態は自覚出来るのでしょうか。何事かを盲信している状態では自覚できないでしょう。
・支配されている状態は、楽ではあります。
・支配する側には、コントロールしたいと言う欲求があるのですが、支配がうまく行き過ぎると問題だと捉える傾向があるように思います。
◆教育は支配か
・教育は支配の道具としての面があるように思います。かつて植民地支配で行われた宣教や啓蒙は支配と言えるでしょう。
・教育は指導することですが、洗脳することでもあると思います。
・教育にはポジティブな面がある。自分で学ぶことはたやすいことではないので教育はなくてはならないものだと思います。
・教育には手をかけて丁寧に教える場合もありますが、突き放されて大変なときを過ごすことも必要です。
・指導者がいなくなっても学ぶことが出来るようにすることが教育の目的だと思います。
・英才教育は逆に他の可能性を奪っているとも言えるのではないでしょうか。
・教育は、読み書きそろばんを普及させる程度でいいのではないでしょうか。高度な教育はまた別なものだと思います。
◆情報提供
・情報の支配は情報の流れをコントロールすることで行われています。情報を押し付けることもあると思います。逆に情報をとりにいくことが情報支配から逃れる方法の一つかも知れません。
◆親と子
・子どもを育てる時には親の支配もあり得ます。
・支配するには責任が発生します。子どもに対しても親の責任があります。
・社会→親→子ども という支配関係があるが、その支配に気がつかないことが多いと思います。
◆支配と自分
・無の状態で我がない時は、支配そのものからは慣れているように思います。
・他人の意見を自分のフィルターをとおして聞くことになりますが、若い人は過去(経験)が少ないでしょうが、老人は多い故に先入観や価値観があると思います。それは性格かもしれないです。
・信念を持って生きている人はかっこいい=他人に影響されない。=支配されない
・教育の普及は、支配を受けないと言う精神を育むでしょうか?
◆支配と時代
戦後の混乱から立ち直る過程で進んだ会社文化は、支配する側される側ともに支配と言うものを発達させて来たと思います。
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次回は10月2日(金)19時〜21時、テーマは「成長」です。
どなたでもご参加いただけます。予約不要。参加費:300円 お好きな飲物をお持ち下さい(アルコール可)。
- 2015/09/20(日) 10:51:34|
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