尼崎市の学習支援事業の受託に失敗しました。
受託したのは全国展開している塾の子会社とのことです。
準備不足、戦略の失敗など気になることはたくさんあります。慙愧の念に堪えません。
一番心配なのが、子どもたちのことです。
新しい受託者は、4月に全員の学力調査を行い、個人ごとの学力に合わせてプログラムを組むそうです。管理者2名が4教室を巡回し、配置された指導員の管理を行うとのこと。指導員はZ会の登録指導員だそうです。
発達障害の子どもに対応するため、必要に応じてカウンセラーを送るそうです。
このようなプレゼンに心を動かされた審査員が多かったのが残念です。尼崎市はご存知のように生活保護世帯率全国4位、関西では東大阪市と並んでいます。
支援が必要な子は、学力が図れるような子どもではないのです。
「学習支援」と言うと貧困であるがゆえに勉強の機会を奪われた学習機会に飢えた子どもを対象にしている印象がありますが、尼崎市では違います。
学習機会を奪われるなどと言うレベルはとっくに割り込んで、ネグレクトと虐待に生きる事すら危うい子どもたちを相手にしなくてはなりません。
まず、人を信じてみることを。大人に頼ることを覚えることから。
いいえ、その前にすることがあります。場合によっては養育者に子どもを解放してくれ、と頼むことから始めなくてはなりません。
私たちはこれらのことをやっと理解し、やっと始められるところでした。このことをプレゼンで訴えることができなかった私の失敗です。
大手の塾なので頑張ってくれると思っています。ただ、4つの教室に付きっきりで相手をしなくてはならない子どもが複数いることや、養育者が子どもの教室への送り込みに無関心になってしまうところをどうやって留まってもらうか、と言う仕事があることをおそらく、知らないでしょう。
採算を度外視することはできないとすると、今私たちが相手をしている子どもを切り捨てることにならざるを得ないのではないかと思っています。
ちいさな教室を開く場所を確保しました。
これから市の学習支援事業からボロボロこぼれてくる子どもたちを受入れる場所になれるように努力していきます。
これからも皆さまのご支援いただきたく、伏してお願い申し上げます。
一般社団法人 office ひと房の葡萄
代表理事 赤井郁夫
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- 2018/03/02(金) 02:13:19|
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